嚥下食は噛む力や飲み込む力が衰えた高齢者や要介護者のために食材をやわらかく処理したり、ムース状にした食べやすさに配慮した食事です。
嚥下食が必要な方がいらっしゃる場合、下ごしらえから嚥下食用のとろみ剤やゲル化剤など嚥下食に適した調理を行う必要があり一手間、二手間必要です。
そうなると一人分だけやわらかい食事を用意すると言っても食事作りが負担となってしまう場合も。しかも毎日、高齢の方が不足しがちな栄養をバランス良く献立に組み込んで、飽きない料理を用意するというのは大変です。そんな時に便利なのが嚥下食の通販を行っている宅配食サービスの活用です。
こちらでは嚥下食の通販を検討されている方におすすめなやわらかい食事や介護食にも適した食事を提供している宅配食の通販サービスをご紹介します!
目次
嚥下食におすすめな通販の宅配食サービス
嚥下食ややわらかい食事を提供している宅配食サービスをご紹介します!
嚥下食や、やわらかい食事は通販でも購入できますが、メニューの数が少ないため食事が似通ってしまいがち。その点、宅配食なら豊富なメニューで毎食飽きずに食べられます!
つるかめキッチンの「つるかめやわらか御膳」
つるかめキッチンは管理栄養士が考えた栄養バランスの良い食事を基本に、食事制限が必要な方、噛む力や飲み込む力が衰えてきた方向けの食事を提供している宅配食サービスです。
やわらか御膳の特徴
見た目の美味しさを残しつつ、箸で簡単に切ることができるやわらかい食事のコースで舌や歯茎で簡単にほぐれる柔らかさに調理されています。
管理栄養士が献立を監修していて、献立のバリエーションも豊富。塩分も1食2.5g以下と低塩分で栄養バランスもしっかり考えられています。
1食あたりの価格 | 657円~※定期コース利用の価格 |
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通常セット価格 | 7食6,200円・14食12,400円・21食18,600円 |
定期コース価格 | 7食4,900円・14食9,400円・21食13,800円 |
1食あたりおかずの数 | 主菜と副菜3~4品 |
主食・汁物 | 無し |
配送方法・配送料 | 全国配送可能。ヤマト運輸クール宅急便 通常700円、定期コース送料無料無料 |
メニュー数 | 基本21種類で、その後はおかずの組み合わせが変わる |
温め方法 | 電子レンジでの温め |
賞味期限 | 約10ヶ月 |
その他のコース | カロリー制限気づかい御膳 塩分制限気づかい御膳 糖質制限気づかい御膳 たんぱく&塩分制限気づかい御膳 つるかめバランス栄養御膳 |

やわらかダイニング
やわらかダイニングは介護食や噛む力、飲み込む力が弱まってきた人のための宅配食です。制限食の人気宅配食のウェルネスダイニングが運営している宅配食ですので味やサービスの質も良いです。
やわらかダイニングの特徴
おかずのやわらかさが3段階に分けられたコースが用意されているので、利用される方の噛む力や飲み込む力に合わせてコースを選ぶことができます。
素材の見た目は残しつつ、スプーンや口の中で簡単にすりつぶせるムース食も用意されているため、嚥下食が必要な方に安心しておすすめできます。
1食あたりの価格 | ちょっとやわらかめ宅配食:642円~ かなりやわらか宅配食:705円~ ムースやわらか宅配食:705円~ |
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通常セット価格 | ちょっとやわらかめ宅配食:7食4,600円・14食9,100円・21食13,500円 かなりやわらか宅配食:7食5,200円・14食9,900円・21食14,800円 ムースやわらか宅配食:7食5,200円・14食9,900円・21食14,800円 |
1食あたりおかずの数 | 主菜と副菜3品 |
主食・汁物 | 無し |
配送方法・配送料 | 全国配送可能。ヤマト運輸クール宅急便 通常700円、定期コース送料350円 |
メニュー数 | 季節に応じた食材を使った献立 |
温め方法 | 電子レンジでの温め |
賞味期限 | 3ヶ月以上 |

嚥下食・介護食に宅配食を利用するメリット
嚥下食や柔らかい食事を提供している宅配食の利用は
- 噛む力に合わせたやわらかさの段階がある
- 管理栄養士による献立監修でバランスの良い食事ができる
- 毎日飽きずに続けられるバラエティーに富んだメニュー
- 温めはレンジで完了するので食事の準備も簡単
- ストック食として活用できる
といったメリットがあります。
食事作りの負担を解消して食べる方の楽しみを損なわず、毎日安心して食べてもらえる料理を手軽に用意できるのが嚥下食の通販で宅配食を利用する魅力となっています。
噛む力・飲み込む力に合わせたやわらかさの段階がある
噛む力や飲み込む力の衰えは人によって様々。やわらかい食事を提供している宅配食では箸でスッと切れる、歯茎や舌ですりつぶせる、噛む必要がないムース状といった段階があるため、食べる方の噛む力や飲み込む力に合わせて選ぶことができます。
管理栄養士による献立監修でバランスの良い食事ができる
高齢者の場合、年齢と共に食が細くなる方もいらっしゃいますので、栄養面にも配慮しなくてはいけません。
宅配食サービスは管理栄養士が献立を監修しているため、食べる量が少なくても栄養バランスに配慮した献立が組まれています。特に高齢者の方が不足しがちなたんぱく質やカルシウム、さらにエネルギーを補う高カロリー食にも配慮して作られているため、自分で嚥下食などの介護食を作るよりもバランスの良い食事が用意できます。
毎日飽きずに続けられるバラエティーに富んだメニュー
嚥下食などのやわらかい食事は下ごしらえに手間がかかる上に献立作りに頭を悩ませる人も多いです。自分で用意すると、どうしても食事の内容が似てきてしまうこともありますよね。
食べる方も毎日同じようなメニューでは飽きてしまいますし、何より食べる楽しみが減ってしまいます。
その点、宅配食サービスはメニューも豊富で、季節の食材などを取り入れた料理が食べられます。メニューも20種類以上用意されているのが一般的で、1週間の中でメニューがかぶらないように献立が考えられています。
温めはレンジで完了するので食事の準備も簡単
通販の宅配食は冷凍でのお届けが基本で、温めは電子レンジで完了するのが一般的です。中には湯煎、流水解凍を行う宅配食もありますが、多くが電子レンジのみで食事の準備ができ、ワンプレートの容器におかずがセットされているため、食器に移す必要も無いので食事の準備は簡単で、後片付けの手間も減らせます。
ストック食として活用できる
通販の宅配食は冷凍でのお届けが基本で、賞味期限も3ヶ月以上と長いです。そのため、あるていどまとめて注文しておき、日々の食事の合間に組み込んで食事作りの負担を軽減するといったストック食としての利用にも便利です。
離れて暮らしていてヘルパーさんが来れない日、もしくはヘルパーさんにお願いする日のみ利用するといった都合に合わせた利用もしやすいです。
嚥下食の段階基準
ご家庭で嚥下食を用意する場合、嚥下食の段階ごとの物性基準を理解しておく必要があります。
嚥下食は摂食、嚥下障がい者を対象とした食事で、食べ物の硬さ、形を摂食・嚥下能力の評価レベルに応じた嚥下訓練食、嚥下食、介護食の3つに分類されています。
2002年に日本介護食品協議会がユニバーサルデザインフードを作成、介護食の区分表として1〜4に分類した物性の規格が発表されています。
日本介護食品協議会による嚥下食の段階ごとの物性規格がこちら
I 容易に噛める | II はぐきで潰せる | III 舌ですりつぶせる | IV 噛まずに食べられる | |
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噛む力の目安 | 硬いもの、大きい物がやや食べづらい人 | 硬いものや大きいものが食べられない人 | 細かくてやわらかいものなら食べられる人 | 固形物を食べるのが困難な人 |
飲み込む力の目安 | 普通に飲み込める | ものによって飲み込みづらいものがある | 水やお茶が飲み込みづらいことがある | 水やお茶がのみこみづらい |
上記のような段階に分類されています。
参考:日本介護食品協議会HP
近年では普通食から嚥下食までを6段階に分類した嚥下食ピラミッド(嚥下訓練食レベル0~2・レベル3嚥下食・レベル4介護食・レベル5普通食)として段階に応じた条件が基準化、安全性と品質を保つ取り組みが行われています。表現としてやわらか食、ミキサー食などと表現されることがありますが、これらも噛む力や飲み込む力に応じた段階に合わせて選ばれています。
古くは厚生労働省による特別用途食品の中の高齢者用食品の基準である「そしゃく困難者用食品の許可基準」と「そしゃく・えん下困難者用食品の許可基準」もあります。
介護食の作り方の基本
嚥下食や介護食は作る側も戸惑うことも多いですよね。
介護食や嚥下食の作り方について、実際に介護福祉士として働く家族に話を聞いてきました。
介護食作りは
- 下ごしらえ
- 加熱調理で工夫
- 食べやすくするための調理
- 市販アイテムや調理器具を活用
という点を抑えるのが基本となります。
下ごしらえ
下ごしらえは食材の大きさ、切り方を調整する必要があります。特に硬さがある野菜や繊維が多い根菜、筋などがある肉類は筋を切って細かくする、叩いて柔らかくするなどの下処理がポイントです。
魚は骨が残らないように取り除きましょう。
加熱調理で工夫
加熱調理は食材を柔らかくするといった面だけでなく、食材の栄養を逃さないように配慮する必要があります。特に野菜に含まれるビタミンは水溶性なので、調理の過程で失われやすく熱にも弱いです。
そのため、野菜を切る前に茹でる、レンジで短時間の加熱などで対応するのがおすすめだそうです。
加熱後は食材の硬さに応じてすりおろす、潰す、煮るといった方法で食材を食べやすくしていきます。イモ類などはすりおろしたり潰しても水分が少ないため注意しましょう。
- すりおろすのがおすすめな食材:果物やイモ類、かみづらい野菜など
- すりつぶすのがおすすめな食材:豆類・イモ類など
- 煮る・蒸すのがおすすめな食材:肉類・イモ類など
魚は焼いた時に油が落ちてパサついてしまうことがあるため、加熱後はとろみ剤などを使ってあんかけなどにするのが良く、肉類はミキサーなどでペースト状にしてから形を整えると食べやすくなります。
- ひき肉や卵焼きなどは細かくまとまりが無いため誤嚥につながるため注意
- こんにゃくや高野豆腐など弾力があるものは噛みにくいため柔らかく調理された市販品を選ぶ
- ごまやナッツ類はペーストで摂る
- 海苔やわかめは口の中や喉に張り付く可能性があるため、細かくする
嚥下食を作る時の市販アイテム
嚥下食を作る場合には舌ですりつぶせるやわらかさやムースのような飲み込むだけで済ませられる調理が必要となります。
人によっては食材を細かく刻んでも飲み込みにくかったり、気管などにつまらせてしまうといった危険性もあるため、市販の嚥下食を作るためのアイテムを活用することも多いです。
調理の際に使われる主なアイテムには
- とろみ剤:液状のものにとろみをつける
- ゲル化剤:液状のものをゼラチンのように固めて食べやすくする
- 高カロリーゼリー:ゼリー状で飲み込みやすく食が細くなった人のエネルギー補給をサポート
などがあります。他にも食事だけで不足しがちな栄養を補うための栄養補助食品を活用される方が多いです。
とろみ剤やゲル化剤といった増粘剤を選ぶ時には混ぜた時にだまにならず、味の変化やベタつきがないことで食べた時の飲み込みやすさや誤嚥を防ぐことができます。
市販のとろみ剤にはどんな種類があるの?
市販のとろみ剤(とろみ調整食品)には
- 1回使い切りの分包タイプ
- 1kg未満の中容量タイプ
- 1kg以上の大容量タイプ
以上があります。
とろみ剤には
- デンプン系:とろみが付きやすいが風味が変わることがある
- グアガム系:少しの量でとろみがつくが、時間と共に形状に変化がおきやすい
- キサンタンガム系:風味に影響が少なく透明感が保てる・時間による変化が少ない
の3種類があります。
ゲル化剤を使った嚥下食レシピ
やわらかい鮭の照り焼き
鮭をペースト状にした後にゲル化剤を加えて焼き、とろみのあるタレをかけた嚥下食の定番レシピです。
- 焼き鮭:切り身
- 出し汁:切り身の大きさの半分くらいの量
- ゲル化剤:0.5gほど材料の約1%が目安
- とろみ剤:タレに対して1対1
- 醤油:大さじ1
- 酒:大さじ1
- みりん:大さじ1
- 砂糖:小さじ1
- 焼いた鮭と出し汁をミキサーに入れてペーストにする
- ペースト状になったら鍋に移してゲル化剤を加えて沸騰するまで加熱(85〜90度以上)
- お皿の上にラップをひき、その上にペーストをあける
- 形を整えて冷蔵庫で冷やして固める
- 固まった鮭を好みの大きさにカット
- フライパンで焼き目をつける
- 醤油、酒、みりん、砂糖を混ぜとろみ剤を加えて加熱
- 鮭にかけて照り焼きの完成
嚥下食を作る時に便利な調理機器
介護食・嚥下食に適した料理アレンジレシピでは野菜や肉、魚を下ごしらえ、調理後にミキサーにゲル化剤を入れてペースト状からゼリー状にするのが基本です。
そのため、介護食や嚥下食を作る際には
- ミキサー
- フードプロセッサー
- ブリクサー
- ミルサー
- ハンドミキサー
といった食材をペースト状やポタージュなどを作るのが基本です。これらも食べる方の噛む力や飲み込む力に合わせてペースト状にしやすいものを選ぶのが基本です。中でもブリクサーは嚥下食を作るのに適した作りになっていて、水分が少なくてもペースト状にできます。
まとめ
自宅でも安心して食べられる嚥下食をお届けしてくれるのが嚥下食の通販です。
やわらかい食事を提供している宅配食は自身の健康上の理由や年齢による衰えで食べることに対して楽しみが無くなったり、意欲が低下してしまうなど、作る側だけでなく、嚥下食が必要な方にとっても毎日の食事を安心して楽しむことをサポートしてくれます。
- 毎日の嚥下食作りが負担になっている
- 嚥下食が必要な方にも食事を楽しんでほしい
- 栄養バランスの良い食事で元気に居てほしい
そんな方は嚥下食の通販を提供している宅配食サービスを活用してみてはいかがでしょう?
